HISTORY日本における
アーキビストの
資格制度
1987年、日本で公文書館法が制定され、国や地方公共団体に対して記録アーカイブズに関して適切な措置をとる責務が課されました。ところが、アーカイブズの活動の中核を担うべき専門職=アーキビストについては、その養成体制が整備されていないことを理由に、「当分の間」は必ずしも配置しなくても良いとされ、現在に至ります。
2012年には、日本アーカイブズ学会が「登録アーキビスト」の取り組みを始め、優れた専門的な人材を記録の管理やアーカイブズの保存と利用に携わる機関や団体へと送り出すことができるようになりました。
さらに特筆すべきことは、国が公文書館等で活躍する人材の育成を念頭においた公的な認証制度を2020年からスタートさせたことです。この「認証アーキビスト」のしくみのなかで、本専攻はアーキビストとして必要な知識・技能等について大学院修士課程における科目修得によって体系的に修得することができる教育機関として位置づけられています。
国や社会の根幹を支える記録アーカイブズの保存とアクセスの提供に関わる人材の育成はようやく緒に就いたところです。本専攻は関係機関との協力のもと、期待される社会的使命に応えていくことを目指しています。
ADVANTAGEこの専攻からアーキビストを目指すメリット
このほか、①の認証を得るためにはアーカイブズ機関における3年以上の実務経験、②については1年以上の実務経験が必要とされています。
CAREERアーキビストの活躍する場所
記録情報専門職としてのアーキビストが活躍する場所は国や地方公共団体の公文書館だけではありません。知的資源としてのアーカイブズを生み出すのは人間の営為であり、人と人とが関わり合う場所がアーキビストの職場となります。
また、専攻の修了生は記録やアーカイブズを広く社会に共有し、将来へ伝えるために活動する企業やNPO法人、大学・研究機関、博物館・美術館、図書館などでの活躍も期待されています。
アーカイブズ機関において一定の実務経験を重ねることで、日本アーカイブズ学会「登録アーキビスト」や国の「認証アーキビスト」としての資格を得ることができます。