CURRICULUM「カリキュラム・ポリシー」の要旨

「カリキュラム・ポリシー」の要旨
基礎となる「アーカイブズ学概論」を起点に、記録とアーカイブズを探究する「記録アーカイブズ研究」、管理のための知識と技法を学ぶ「アーカイブズ管理研究」、デジタル記録のアーカイブズ化という新しい課題領域に向き合う「デジタルアーカイブズ」、理論と実践の歴史的経過や海外での展開を学ぶ「アーカイブズ学理論研究」を通して、中核的な知識を体系的に修得することを目指しています。
また、より広い情報資源論という領域からアーカイブズ学を位置づける視点を獲得するため、図書館情報学及び博物館情報学に関する「情報資源論」を学際科目として配置しています。
基礎的研究能力を養成しながら、アーキビストとして直面する現実的課題を科学的かつ実践的に解決する能力を育成するため、「アーカイブズ管理演習」「デジタルアーカイブズ演習」「アーカイブズ学演習」を応用科目として配置しています。
さらに、「アーカイブズ実習」では、アーカイブズ機関における専門的業務の在り方を観察ないし模擬体験することにより、業務の実際を理解するため、2週間の機関実習を行っています(博士前期課程では2年間で計4週間の実習が予定されています)。

THESES & DISSERTATIONS学位

博士前期課程では、2年以上在学して30単位以上を修得し、修士論文を提出の上、最終試験に合格した者に「修士(アーカイブズ学)」の学位を授与します。

なお、科目等履修生などで一定の単位数を修得し、優れた研究業績をあげた場合には、修業年限を1年とすることができます(要事前相談)。

博士後期課程では、3年以上在学して20単位以上を修得し、博士論文を提出の上、最終試験に合格した者に「博士(アーカイブズ学)」の学位を授与します。

学位と履修

SCHEDULE授業と時間割

平日の5限(16:20~17:50)、6限(18:00~19:30)と土曜日に授業を集約し、働きながらでも2年間で必修となる科目を履修することが可能です。
なお、アーカイブズ実習での2週間の機関実習は夏季を中心に実施しています。

【参考】博士前期課程1年次の平日と土曜日(イメージ)

<平日の例>(日中に仕事のある場合)

9:00 出勤
(16:20) 記録アーカイブズ研究…次年度に履修!
17:30 退勤 隔年度で5限と6限は入れ替えで開講
18:00 デジタルアーカイブズ演習
<土曜日の例>

9:00 アーカイブズ学概論I(講義)
10:40 アーカイブズ学概論II(講義)
13:00 アーカイブズ学演習(ゼミ)
14:40 アーカイブズ実習(事前指導)
16:20 教員と面談(論文指導)
18:00 院生の自主ゼミへ参加

CLASSES授業科目

必修科目

  • アーカイブズ学演習 <アーカイブズ学研究法>
    Seminar in Archival Science <Archival research methodology>
    個人研究や共同研究を通じて学生の研究能力を開発し、研究者・専門職としての倫理、実践的な問題解決能力を育成する。
  • アーカイブズ管理演習
    Seminar on Records and Archives Management  <Arrangement and description of archives>
    記録アーカイブズの構造やコンテクストを科学的に研究し、適切な方法で整理・記述するための実践的訓練を行う。
  • デジタルアーカイブズ演習
    Seminar on Digital Archives <Information technology in archives>
    情報科学の基礎とともに、アーカイブズ分野における情報技術やネットワーク・システムについて学ぶ。
  • アーカイブズ実習
    Practice in Archives
    アーカイブズ機関実習と事前学習・事後の発展研究。

選択必修科目

  • アーカイブズ学概論Ⅰ <現代アーカイブズ制度とその機能>
    Introduction to Archival Science I
    原則や理論、レコード・コンティニアム論、法制度論、専門職倫理などアーキビストに必要な知識と技法を学ぶ。
  • アーカイブズ学概論Ⅱ <現代アーカイブズの構築と実施>
    Introduction to Archival Science II
    システム設計から調査論、評価論、情報サービスまでアーカイブズを科学的に保存活用する現代的方法を考える。
  • アーカイブズ学理論研究Ⅰ <アーカイブズ及びアーキビスト史>
    Study on Archival Theory and Methodology I <History of Archives and Archivist>
    世界と日本における現在までのアーカイブズの発展過程をたどり、国・社会を支える根幹システムとしての将来を展望する。
  • アーカイブズ学理論研究Ⅱ <海外基本文献研究(基礎・応用)>
    Study on Archival Theory and Methodology II <Overseas archival science literature>
    海外の研究動向を概観するとともに、優れた英語文献を講読することによって国際水準の研究を学ぶ。
  • 記録アーカイブズ研究Ⅰ<前近代の組織と記録>
    Study on Records and Archives I <Pre-modern organizations and records>
    前近代日本の様々な組織体の構造と機能について記録システムを中心に研究し、記録アーカイブズの価値を探究する。
  • 記録アーカイブズ研究Ⅱ <現代日本の組織と記録>
    Study on Records and Archives II <Modern organizations and records>
    国、地方自治体等の組織構造と機能について記録システムを中心に研究し、記録アーカイブズの価値と可能性を追求する。
  • 記録アーカイブズ研究Ⅱ<近現代日本の公文書管理制度成立史>
    Study on Records and Archives II <Modern public archives and private documents in Japan>
    近代日本の公文書管理制度の特質を歴史的に検討し、私文書を中心とする幅広い記録アーカイブズについて認識と理解を深める。
  • 記録アーカイブズ研究Ⅲ<東アジアにおける記録の歴史と現在>
    Study on Records and Archives III <East Asian records and archives>
    近現代の中国とベトナムを中心に記録と記録システムの歴史を研究し、それぞれの社会における記録アーカイブズの意味と特質を考える。
  • アーカイブズ管理研究Ⅰ <アーカイブズ管理法制論>
    Study on Records and Archives Management I<Legal system for the management of records and archives>
    記録アーカイブズの管理法制について正確な知識を身につけるとともに、法的思考力を鍛え、新たな制度を創造できる力を養成する。
  • アーカイブズ管理研究Ⅱ <公的機関のレコードキーピング活動>
    Study on Records and Archives Management II<Record keeping program in public organizations>
    公文書管理法下における公文書のライフサイクル管理の一環としてのアーカイブズ管理について、国立公文書館の事例を中心に学ぶ。
  • アーカイブズ管理研究Ⅱ <レコード・マネジメント論>
    Study on Records and Archives Management II<Records management>
    レコード・マネジメント(記録管理)とアーカイブズとの密接性という観点から、レコード・マネジメントの理論と実践について理解する。
  • アーカイブズ管理研究Ⅲ <記録アーカイブズの保存と修復(基礎・応用)>
    Study on Records and Archives Management III<Preservation and conservation of archives>
    紙から電子記録まで、様々な記録アーカイブズを物理的に保存・管理していくための科学的な考え方と方法について学ぶ。
  • アーカイブズ管理研究Ⅳ<視聴覚アーカイブ論>
    Study on Records and Archives Management IV<Audiovisual archive>
    映画・テレビ番組・録音資料などを保存してきた視聴覚アーカイブの歴史と現状、機能の概要を学び、アーカイブズ機関における視聴覚資料/記録について考える。
  • デジタルアーカイブズⅠ <システムデザインと法務>
    Digital Archives I
    システムデザインと国内外の施策や規範、知的財産保護などの法務の観点からデジタルアーカイブズの現状と課題を俯瞰する。
  • デジタルアーカイブズⅡ <サービスの構築と提供>
    Digital Archives Ⅱ
    コンテンツの構築と管理、サービスのためのシステムについて、インターネット空間とリアル空間での活動の複合・再編成という観点から研究する。

選択科目

  • 情報資源論Ⅰ <図書館情報学研究>
    Study on Information Resources I <Library and information science>
    情報資源の保存活用という点で共通性を持つ図書館情報学について学び、アーカイブズ学との連携を考える。
  • 情報資源論Ⅱ <博物館情報学研究>
    Study on Information Resources II <Museum information studies>
    情報資源の保存活用という点で共通性を持つ博物館情報学について学び、アーカイブズ学との連携を考える。